【2026年4月改正】技人国ビザの必要書類とカテゴリー3の申請ポイント
日本で外国人をITエンジニアや事務職、マーケター、通訳などとして雇用する際、最も多く取得されているのが通称「技人国(ぎじんこく)ビザ」です。正式名称を在留資格「技術・人文知識・国際業務」といいます。
このビザは、専門的な知識やスキルを活かしたホワイトカラー向けの就労ビザですが、申請には「外国人本人に関する書類」だけでなく、「受け入れる企業側の書類」も大量に必要となります。
今回は、技人国ビザの申請に必要な書類一式と、スムーズに許可を得るための重要なポイントを解説します。2026年4月15日から追加された新しい提出書類についても触れていますので、これから申請予定の企業さまはぜひご確認ください。
1必要書類は「企業のカテゴリー」で変わる
技人国ビザの大きな特徴は、受け入れる企業の規模や実績によって、提出する書類の量が4つの「カテゴリー」に分かれている点です。
| カテゴリー | 主な対象 | 書類の量 |
|---|---|---|
| カテゴリー1 | 上場企業など | 最小限 |
| カテゴリー2 | 前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業 | 少なめ |
| カテゴリー3 | 源泉徴収税額が1,000万円未満の企業(一般的な中小企業) | 標準 |
| カテゴリー4 | 上記いずれにも該当しない企業(新設会社など) | 最多 |
上場企業などの「カテゴリー1」であれば書類は最小限で済みますが、中小企業やスタートアップ、新設会社(カテゴリー3〜4)になるほど、会社の信頼性を証明するために提出する書類がドッと増えます。
ここでは、最も一般的な中小企業(前年分の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円未満の企業:カテゴリー3)をベースに、必要な書類一式をまとめました。
2技人国ビザの必要書類リスト(カテゴリー3の例)
① 申請書・共通書類
- 在留資格認定証明書交付申請書 または 在留資格変更許可申請書(1通)
- 顔写真(縦4cm×横3cm、3ヶ月以内に撮影、無背景)(1葉)
- 返信用封筒
- パスポートおよび在留カードの提示(すでに日本にいる場合)
② 企業(所属機関)が用意する書類
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)(1通)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)(発行から3ヶ月以内)(1通)
- 直近事業年度の決算書(貸借対照表・損益計算書)の写し(1通)
※新設会社で決算がまだ終えていない場合は、今後1年間の「事業計画書」が必要です。
- 会社案内書(パンフレットなど)
ホームページの主要画面を印刷したものでも代用可能です。資本金、沿革、役員、従業員数、主要取引先などがわかるもの。
③ 外国人本人(申請人)が用意する書類
- 学歴を証明する書類
- 大学等の「卒業証明書」または「学位記(コピー)」
- 日本の専門学校卒の場合は「専門士(高度専門士)の称号を証明する書面」
- 職歴・実務経験を証明する書類(学歴ではなく実務経験で申請する場合のみ)
過去の在籍企業が発行した「在職証明書」(業務内容や期間が明記されたもの)。「技術・人文知識」は10年以上、「国際業務(通訳等)」は3年以上の実務経験が目安として必要です。
④ 雇用・業務内容を証明する書類(企業・本人共同)
- 雇用契約書の写し(または労働条件通知書の写しなど)(1通)
※職務内容、雇用期間、報酬額(日本人と同等以上であること)が明記されている必要があります。
- 採用理由書(職務内容説明書)(適宜)
入管のホームページに必須とは書かれていませんが、実務上は極めて重要です。なぜその外国人が必要なのか、大学での専攻と今回の業務がどう結びついているのかをA4用紙1〜2枚で説明します。
カテゴリー3・4の企業は、上記に加えて次の書類の提出が新たに必要になりました。
- 所属機関の代表者に関する申告書(入管指定の様式)
- (通訳・接客など、対人業務に主に従事する場合)CEFR B2相当の言語能力を証する資料
→日本語の場合は、JLPT N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上などで代替可能です。日本の大学卒業者や、日本の義務教育・高校を修了した方などは、この要件を満たしているとみなされます。
対象になるかどうかは職務内容によって変わるため、申請前に個別確認をおすすめします。
3絶対に落とせない「3つの審査ポイント」
書類を形通りに揃えても、中身が条件を満たしていなければ不許可になります。入管が特に厳しくチェックするのは以下の3点です。
これが一番の難所です。大学や専門学校で専攻した分野と、日本で実際に行う予定の仕事内容に強い関連性(ヒモ付け)が求められます。
技人国ビザは「高度な専門知識」を活かすための資格です。そのため、いくら大卒の優秀な人材であっても、主な業務が「工場のライン作業」「飲食店の接客・皿洗い」「ホテルの客室清掃」「小売店のレジ打ち」などの単純労働・現場労働と判断されると、一発で不許可になります。実務研修として一時的に現場を経験させる場合は、合理的な「研修計画書」を別途添付する必要があります。
外国人だからといって、不当に低い給料を設定することは法律で禁止されています。同じ会社にいる「同じ職種・同等のキャリアの日本人社員」と同額以上、あるいは一般的な業界水準以上の給与が支払われている必要があります。
法令上、「◯◯円以上」という具体的な最低額の定めはありませんが、実務上は月給が17万〜18万円を下回ると不許可リスクが高まる傾向にあるとされています。あくまで目安として捉え、自社内・同業他社の給与水準と比較しながら設定することが重要です。
4まとめ:確実な許可には「採用理由書」の作り込みがカギ
技人国ビザの申請は、会社の経営状態(赤字決算がないか等)や、外国人の学歴、そして何より「社内で本当にその専門業務が必要とされているか」をロジカルに説明する書類の作り込みが成否を分けます。
特に、初めて外国人を採用する企業や、設立間もないベンチャー企業の場合は、審査官に疑問を持たせないよう慎重に証拠書類を集める必要があります。加えて2026年4月の改正以降は、対人業務が絡む職種では言語能力の証明も新たに求められるため、採用段階から準備しておくと安心です。
社内に手続きのノウハウがない場合や、専攻と業務の関連性の説明が難しいと感じる場合は、外国人雇用の実務に強い行政書士などの専門家に書類一式の作成やリーガルチェックを依頼するのが最も確実です。
万全の体制を整えて、優秀な外国人材の受け入れを成功させましょう。
- 事務所名
- SEED行政書士事務所
- 行政書士
- 森本 智恵子(出入国在留管理局 申請取次行政書士)
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