特定技能「外食業」新規受入れ停止|飲食店が今から取れる採用の選択肢を行政書士が解説【2026年最新】
2026年7月9日|執筆:行政書士 森本智恵子(SEED行政書士事務所)
福岡県内の飲食店経営者様や人事担当者様にとって、非常に重要なニュースです。
深刻な人手不足を支える在留資格として多くの飲食店で活用されてきた「特定技能1号(外食業分野)」について、受入れ枠の上限到達が見込まれることから、2026年4月13日以降、新規の受入れが原則停止となりました。外食業分野でこれほど大きな受入れ制限がかかるのは、2019年の制度創設以来初めてのことです。
「これから採用できなくなるの?」「今いる外国人スタッフは大丈夫?」「申請中の内定者はどうなる?」——そんな不安をお持ちの企業様に向けて、この記事では今回の停止措置で何が変わったのか、そして今から取れる現実的な採用の選択肢を、ビザ専門の行政書士がわかりやすく解説します。
この記事の目次
1. 何が起きたのか?——受入れ停止の概要
2. なぜ「受入れ停止」になったのか?
3. 今いるスタッフ・申請中の人はどうなる?
4. 飲食店が今から取れる「4つの採用・対策プラン」
5. 焦って「嘘の申請」をするのは絶対にNGです
6. 【他の業種の方へ】明日は我が身です
1. 何が起きたのか?——受入れ停止の概要
2026年3月27日、出入国在留管理庁と農林水産省は「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」を公表し、続く4月13日から、外食業分野の特定技能1号に係る在留資格認定証明書の交付停止措置が実施されました。
具体的には、2026年4月13日以降に受理された申請は、次の取扱いとなっています。
・在留資格認定証明書交付申請(海外からの新規呼び寄せ) → 不交付
・在留資格変更許可申請(留学生からの切り替えなど) → 原則不許可
・特定活動(特定技能1号移行準備)への変更 → 原則不許可
つまり、海外から新しく人材を呼び寄せるルートも、国内の留学生等を外食業の特定技能に切り替えるルートも、原則として閉ざされた状態です。
ポイント:今回の措置は「新規の流入」を止めるものです。すでに外食業分野で働いている特定技能1号の方の在留期間更新や、外食業分野内での転職は、これまでどおり認められます。今いるスタッフの在留が急に打ち切られるわけではありませんので、まずはご安心ください。
2. なぜ「受入れ停止」になったのか?
特定技能制度には、分野ごとに「向こう5年間でこれ以上の人数は受け入れない」という受入れ見込数(事実上の上限枠)が定められています。外食業分野の上限は、2024年度から2028年度までの5年間で5万人とされていました。
外食業は特定技能の中でも特に人気が高く、国内外での試験合格者や就労希望者が急増。その結果、2026年2月末時点で在留者数は約4万6,000人に達し、このままのペースでは5月頃に上限の5万人を超えることが確実となったため、法律(入管法第7条の2)に基づく一時的なストップの措置が取られたのです。
「政府が外国人の受入れを絞り始めたのでは」という見方をされることもありますが、そうではなく、制度上あらかじめ決められていた上限に、想定より早く到達してしまったというのが正確な理解です。
3. 今いるスタッフ・申請中の人はどうなる?
企業様にとって最も気になるのは「自社のスタッフや採用予定の外国人はどうなるのか?」という点だと思います。ケース別に整理します。
① すでに外食業で働いている特定技能1号の方
影響はありません。在留期間の更新も、外食業分野内での転職に伴う申請も、通常どおり審査されます。
② 4月13日より前に申請を受理されている方
4月13日より前に入管へ受理された申請は、審査のうえ、受入れ見込数の範囲内で順次交付・許可されます。ただし注意点が2つあります。
・国内在留者からの変更許可申請が優先処理されるため、海外からの呼び寄せ(認定証明書)は交付までに相当な遅延が見込まれること
・「上限の範囲内で」という条件付きのため、申請順=許可の保証ではないこと
③ これから申請を予定していた方(内定済み含む)
残念ながら、原則として新規申請は認められない状態です。ただし、次の例外ルートに該当する方からの申請は、4月13日以降も受入れ見込数の範囲内で審査・許可されます。
・すでに外食業分野で特定技能1号として在留している方からの申請(転職等)
・技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了し、外食業の特定技能1号へ移行する方(優先処理)
・すでに外食業分野の特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けている方
「内定を出したけれど、申請はまだ」という場合、この例外に当てはまらない限り、採用計画の見直しが避けられない状況です。
4. 飲食店が今から取れる「4つの採用・対策プラン」
特定技能1号の新規受入れがストップした中で、人手不足を乗り切るための現実的な選択肢を4つご紹介します。
プラン① 国内在住の特定技能1号(外食業)の転職採用
例外ルートのとおり、すでに外食業分野で在留している特定技能1号の方の転職に伴う申請は、今も通常どおり審査されます。約4万6,000人という国内在留者の中から転職希望者を採用するルートは、現状で最も現実的な特定技能の採用手段です。なお、受入れ企業側は食品産業特定技能協議会への加入など所定の要件を満たしている必要があります。
プラン② 留学生のアルバイト雇用(週28時間ルール)を活用する
特定技能でのフルタイム雇用が難しい場合、「留学」や「家族滞在」のビザを持つ外国人をアルバイトとして雇用する方法があります。事前に「資格外活動許可」を取得していれば、原則として週28時間以内の就労が可能です。採用時には在留カードで在留資格と資格外活動許可の有無を必ず確認しましょう。
プラン③ 技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)を検討する
採用したい外国人が大学で経営学やマーケティング、通訳などを学んでいる場合、店舗の接客スタッフとしてではなく、「店舗のマネジメント業務」や「インバウンド客向けの通訳・広報・マーケティング業務」として採用できる可能性があります。
ご注意:技人国ビザでは、ホールでの接客や厨房での調理といった現場業務は認められません。「名目はマネジメント、実態は現場スタッフ」という運用は虚偽申請にあたります。業務内容の明確な切り分けが必須です。
プラン④ 「特定技能2号」への育成と、枠拡大の動向を見据える
中長期的に最も重要なのがこのプランです。特定技能2号は今回の停止措置の対象外で、受入れ上限もありません。在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能なため、今いる1号スタッフを2号へステップアップさせることは、長期的な戦力確保に直結します。
また、特定技能制度は2027年4月の「育成就労制度」導入を控えた大きな過渡期にあり、今後の閣議決定によって受入れ上限枠の見直し(拡大)が行われる可能性もあります。なお、外食業の特定技能1号評価試験は当面、国内外とも実施が停止されているため、「新たに試験に合格させて採用する」という準備は現時点では進められません。だからこそ、今いる人材の定着支援と2号への育成、そして最新動向のキャッチアップが重要になります。
5. 当事務所のスタンス:焦って「嘘の申請」をするのは絶対にNGです
このような「受入れ停止」のニュースが出ると、焦りから「特定技能がダメなら、業務内容を偽って技人国ビザで申請して、実際には厨房で働かせよう」と考える方が少なからず出てきます。
しかし、当事務所では、こうした虚偽の書類作成や事実をごまかすような不正なビザ申請には絶対に手を貸すことはありません。
入管の審査官はプロであり、実態の伴わない虚偽申請はすぐに見抜かれます。発覚すれば不法就労助長罪に問われるなど、企業にとっても外国人本人にとっても取り返しのつかないダメージになります。当事務所はコンプライアンスを最重視し、合法かつ真っ当な方法で、企業様の人手不足解消を全力でサポートいたします。
6. 【他の業種の方へ】明日は我が身です
今回の受入れ停止は外食業分野の話ですが、受入れ見込数(上限枠)はすべての特定技能分野に設定されています。「自分の業界はまだニュースになっていないから大丈夫」と油断せず、他業種で特定技能外国人の採用を予定している企業様は、次の2点を強くお勧めします。
① 早めの内定と申請手続き:採用が決まったら、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請を1日でも早く入管へ提出し、審査のテーブルに乗せておくこと
② 最新情報のチェック:急な受入れストップに巻き込まれないよう、出入国在留管理庁の公式発表に常にアンテナを張っておくこと
当事務所でも、各産業分野における受入れ枠の消化状況や入管庁の動向は常に注視しております。「自社の業界の枠は今どうなっているか?」「今から採用活動を始めて間に合うか?」といったご相談にも、最新状況をお調べしてアドバイスいたします。
まとめ:慌てて誤った判断をする前に、まずは専門家へ
今回の外食業の受入れ停止は、多くの飲食店にとって大きな痛手です。しかし、国内在住者の転職採用、留学生アルバイト、技人国ビザ、2号への育成など、合法的に取れる選択肢は残されています。
大切なのは、正確な情報に基づいて、自社に合ったルートを冷静に選ぶこと。「内定を出した外国人のビザはどうなる?」「今からでも間に合う手続きはある?」など、ご不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
外国人採用・ビザのお悩み、福岡のSEED行政書士事務所へ
日々変わる入管の最新情報を常に把握し、貴社に最適な合法の採用ルートをご提案します。
特定技能・技人国ビザ・留学生雇用など、外国人雇用のことなら何でもご相談ください。
女性行政書士の森本が直接ご対応します。
友だち追加後、そのままメッセージを送るだけでOKです
LINE ID: @131segvl
SEED行政書士事務所(福岡市中央区)
特定行政書士・申請取次行政書士 森本智恵子
※本記事の内容は2026年7月時点の情報に基づいています。特定技能制度の運用は今後変更される可能性がありますので、最新の情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。
就労ビザ、配偶者ビザ、永住ビザ、帰化申請、特定技能ビザなどの申請・更新・変更に関するご相談は、福岡市中央区のSEED行政書士事務所にお任せください。
対応エリア:福岡市(中央区・博多区・東区・南区・城南区・早良区・西区)、糸島市など。
オンライン相談により、遠方の方のサポートも可能です。
SEED行政書士事務所のホームページ
些細なことでも遠慮なくご相談ください
- 初回相談
60分無料 - オンライン
相談対応 - 土日祝・夜間
対応(要予約)






