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【行政書士が解説】登録支援機関を通さず、自社で特定技能外国人を支援(自社支援)するメリットと3つのリスク

2026.3.19 公開|2026.7.19 更新|特定行政書士 森本 智恵子

「特定技能の外国人を採用したいけれど、毎月の支援委託費がもったいない…」

「登録支援機関(外部)を通さずに、自社だけで支援・管理することは可能なの?」

外国人材の採用をご検討中の企業様から、当事務所にこのようなご相談が数多く寄せられています。

結論から申し上げますと、特定技能外国人の支援を外部に委託せず、自社で行うこと(自社支援)は法律上可能です。しかし、そこには大幅なコスト削減という「メリット」と、ビザ取消しや高額な出費につながる「重大なリスク」が潜んでいます。

【2026年7月更新】2026年5月29日、在留手続きの手数料を大幅に引き上げる改正入管法が成立しました。出入国在留管理庁が公表した政令案では、在留期間の更新・変更の手数料は現行の一律6,000円から、許可される在留期間に応じて1万円〜7万5,000円へと引き上げられる見込みです(早ければ2026年10月施行)。外国人雇用のコスト構造が大きく変わるタイミングだからこそ、「自社支援」の判断は慎重に行う必要があります。

本記事では、ビザ専門の行政書士が、最新の法改正を踏まえた「自社支援のメリットとリスク」、そして企業が取るべき最適な選択肢について徹底解説します。

第1章:自社で特定技能外国人を支援する「3つのメリット」

特定技能1号の外国人を受け入れる際、企業には「1号特定技能外国人支援計画」に基づいた手厚いサポートが義務付けられています。これを登録支援機関に委託せず、自社で行うことには以下のメリットがあります。

メリット1:外部委託費用のカットと、高騰するビザ更新費用への備え

最大のメリットは、大幅なコスト削減です。

登録支援機関に委託する場合、外国人1人あたり月額2万〜3万円程度のランニングコストが発生します。これを自社で行えば全額カットできます。

ここで重要になるのが、今後の「在留手数料の大幅値上げ」への備えです。

2026年5月29日に成立した改正入管法により、在留資格の変更・更新手数料の法定上限は現行の1万円から10万円へ引き上げられました。出入国在留管理庁が公表した政令案では、実際の手数料は許可される在留期間に応じた段階制となる見込みです。

【在留期間の更新・変更手数料(政令案・窓口申請)】

1.在留期間3か月以下:1万円

2.在留期間1年:3万3,000円

3.在留期間3年以上5年未満:6万4,000円

4.在留期間5年以上:7万5,000円

※オンライン申請の場合は(3か月以下を除き)最大1万円安くなる案が示されています。金額はパブリックコメントを経て確定する予定で、早ければ2026年10月から実施される見通しです。

たとえば在留期間1年の特定技能外国人の場合、更新のたびに3万円超の手数料が発生する時代が目前に迫っています。この高騰する更新費用の原資として、毎月の支援委託費を自社支援によって浮かせるという考え方は、経営的には一定の合理性があります。

メリット2:外国人材との強固な信頼関係構築と「定着(離職防止)」

外部の機関を挟まず、自社の社員が直接、生活サポートや悩み相談に乗ることで、外国人社員との距離が縮まり、強固な信頼関係が築きやすくなります。

更新費用が高額化するこれからの時代、「短期間で離職されてしまうこと」は、高額な採用・更新コストが無駄になることを意味します。自社で直接フォローアップを行うことで、「安心して長期的に働ける職場」と感じてもらいやすくなり、定着率の向上が期待できます。

メリット3:自社内に「外国人雇用のノウハウ」が蓄積される

入管への書類作成や定期報告、役所手続きの同行などを自社で経験することで、社内に外国人受け入れのノウハウが蓄積されます。これは、将来的に特定技能2号へのステップアップや、受け入れ人数を拡大していくための強力な地盤となります。

第2章:自社で特定技能外国人を支援する「3つの重大なリスク」

一方で、自社支援には企業の屋台骨を揺るがしかねないデメリットが存在します。

リスク1:支援業務と「定期届出」の膨大な実務負担

特定技能の支援は、「出入国時の送迎」「住居の確保・契約同行」「日本語習得支援」「苦情・相談対応」など多岐にわたり、これらを企業の担当者が業務時間内に行う必要があります。

さらに重いのが、入管への四半期(3ヶ月)に一度の「定期届出」の義務です。膨大な必要書類の収集やチェック体制を自社のみで維持しなければならず、専任担当者を置かない限り、現場の通常業務を激しく圧迫します。

リスク2:「母国語でのトラブル対応」という高いハードル

支援計画の中には、外国人本人が「十分に理解できる言語(多くの場合、母国語)」で対応しなければならない項目が多数存在します。

特に、病気やケガ、職場での人間関係のトラブルに関する相談においては、細かいニュアンスが伝わる母国語でのメンタルケアが必須です。社内にその外国人の母国語を流暢に話せるスタッフ(通訳)がいない場合、そもそも自社支援の適法な要件を満たすこと自体が困難になります。

リスク3:不許可・取消リスクと「高額な再申請コスト」の発生

自社支援において最も恐ろしいのが、支援の怠りや書類不備による「ビザの不許可・取消し」リスクです。

支援計画を適切に実施していないとみなされると、外国人本人のビザが取り消されたり、企業が受け入れ停止処分を受けたりする可能性があります。

さらに、今回の手数料値上げがこのリスクに拍車をかけます。

自社で作成した申請書類に不備があり「不許可」となった場合、再申請のたびに3万円超(在留期間1年の場合)の手数料がその都度発生する時代になります。コストを浮かせるために自社支援を選んだ結果、不確実な申請によって再申請の追加コストと膨大な手間がかかってしまっては本末転倒です。

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自社支援を行う場合、雇用している特定技能外国人の結婚・出産といったライフイベントへの対応も必要になります。ご家族の在留資格がどうなるか、1号と2号の決定的な違いを含めて解説しています。

特定技能外国人が結婚・出産したら家族のビザはどうなる?1号と2号の決定的な違いを解説

第3章:行政書士からのアドバイス〜自社支援に向いている企業とは?〜

在留手数料の値上げが目前に迫る中、支援委託費を削減できる「自社支援」は魅力的ですが、以下の条件を満たさない企業にはお勧めできません。

【自社支援に向いている企業の条件】

1.すでに多言語対応(通訳や生活サポート)ができる外国人正社員が在籍している

2.専任の支援担当部署やスタッフを配置できる人員的余裕がある

おすすめは「段階的な切り替え」方式

初めて特定技能外国人を採用する場合や、社内に母国語対応スタッフがいない場合は、まずはプロである登録支援機関や行政書士に委託し、確実な申請フローと定着サポート体制を構築することをおすすめします。

直近では、入管の運用により特定技能1号でも「2年」の在留期間が許可されるケースも出てきています。手数料が在留期間に応じた段階制になると、1回の申請でより長い在留期間の許可を得ることの経済的な価値もこれまで以上に大きくなります。

専門家のサポートのもとで安定した雇用実績を作り、数年かけて社内にノウハウが蓄積した段階で、段階的に「自社支援」へ切り替えるのが、最も安全で費用対効果の高い戦略です。

💡 外国人雇用・ビザ手続きのお悩みは、当事務所へご相談ください

「自社で特定技能の支援要件を満たせるか診断してほしい」

「手数料が値上がりする前に、在留期間の長いビザを取得する体制を整えたい」

このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひSEED行政書士事務所へご相談ください。最新の入管法改正や手数料の動向に精通したビザ専門の行政書士が、貴社に最適な「コストを抑えつつ確実で安全な」外国人材の受け入れ・管理体制をご提案いたします。

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著者
特定行政書士 森本 智恵子
SEED行政書士事務所
福岡市中央区

福岡市中央区を拠点に、数多くの外国人の方々の「日本で暮らしたい」という夢をサポートしています。ビザ申請は、単なる書類作成ではありません。お客様お一人おひとりの人生の節目に立ち会う仕事だと考え、親身かつ迅速な対応を信条としています。
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