外国人を採用したら!「技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)」の必要書類と申請の注意点
日本で外国人をITエンジニアや事務職、マーケター、通訳などとして雇用する際、最も多く取得されているのが通称「技人国(ぎじんこく)ビザ」です。正式名称を在留資格「技術・人文知識・国際業務」といいます。
このビザは、専門的な知識やスキルを活かしたホワイトカラー向けの就労ビザですが、申請には「外国人本人に関する書類」だけでなく、「受け入れる企業側の書類」も大量に必要となります。
今回は、技人国ビザの申請に必要な書類一式と、スムーズに許可を得るための重要なポイントを解説します!
1. 技人国ビザの必要書類は「企業のカテゴリー」で変わる!
技人国ビザの大きな特徴は、受け入れる企業の規模や実績によって、提出する書類の量が4つの「カテゴリー」に分かれている点です。
上場企業などの「カテゴリー1」であれば書類は最小限で済みますが、中小企業やスタートアップ、新設会社(カテゴリー3〜4)になるほど、会社の信頼性を証明するために提出する書類がドッと増えます。
ここでは、最も一般的な中小企業(前年分の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,500万円未満の企業:カテゴリー3)をベースに、必要な書類一式をまとめました。
2. 技人国ビザの必要書類リスト(カテゴリー3の例)
① 申請書・共通書類
- 在留資格認定証明書交付申請書 または 在留資格変更許可申請書(1通)
- 顔写真(縦4cm×横3cm、3ヶ月以内に撮影、無背景)(1葉)
- 返信用封筒
- パスポートおよび在留カードの提示(すでに日本にいる場合)
② 企業(所属機関)が用意する書類
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)(1通)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)(発行から3ヶ月以内)(1通)
- 直近事業年度の決算書(貸借対照表・損益計算書)の写し(1通)
- ※新設会社で決算がまだ終えていない場合は、今後1年間の「事業計画書」が必要です。
- 会社案内書(パンフレットなど)
- ホームページの主要画面を印刷したものでも代用可能です。資本金、沿革、役員、従業員数、主要取引先などがわかるもの。
③ 外国人本人(申請人)が用意する書類
- 学歴を証明する書類
- 大学等の「卒業証明書」または「学位記(コピー)」
- 日本の専門学校卒の場合は「専門士(高度専門士)の称号を証明する書面」
- 職歴・実務経験を証明する書類(学歴ではなく実務経験で申請する場合のみ)
- 過去の在籍企業が発行した「在職証明書」(業務内容や期間が明記されたもの)
- ※「技術・人文知識」は10年以上、「国際業務(通訳等)」は3年以上の実務経験が必要です。
④ 雇用・業務内容を証明する書類(企業・本人共同)
- 雇用契約書の写し(または労働条件通知書の写しなど)(1通)
- ※職務内容、雇用期間、報酬額(日本人と同等以上であること)が明記されている必要があります。
- 採用理由書(職務内容説明書)(適宜)
- 入管のホームページに必須とは書かれていませんが、実務上は極めて重要です。なぜその外国人が必要なのか、大学での専攻と今回の業務がどう結びついているのかをA4用紙1〜2枚で説明します。
3. 技人国ビザ申請で絶対に落とせない「3つの審査ポイント」
書類を形通りに揃えても、中身が条件を満たしていなければ不許可になります。入管が特に厳しくチェックするのは以下の3点です。
① 「専攻(学んだこと)」と「業務内容」の関連性
これが一番の難所です。大学や専門学校で専攻した分野と、日本で実際に行う予定の仕事内容に強い関連性(ヒモ付け)が求められます。
- OK例: 情報工学を専攻した外国人を、ITエンジニアとして採用する。
- NG例: 文学部の出身なのに、プログラマーとして採用する(関連性なしと判断されやすい)。
② 「単純労働」とみなされないこと
技人国ビザは「高度な専門知識」を活かすための資格です。そのため、いくら大卒の優秀な人材であっても、主な業務が「工場のライン作業」「飲食店の接客・皿洗い」「ホテルの客室清掃」「小売店のレジ打ち」などの単純労働・現場労働と判断されると、一発で不許可になります。 実務研修として一時的に現場を経験させる場合は、合理的な「研修計画書」を別途添付する必要があります。
③ 日本人と同等以上の報酬(給与)
外国人だからといって、不当に低い給料を設定することは法律で禁止されています。同じ会社にいる「同じ職種・同等のキャリアの日本人社員」と同額以上、あるいは一般的な業界水準以上の給与(目安として月給18万〜20万円以上)が支払われている証明が必要です。
4. まとめ:確実な許可には「採用理由書」の作り込みがカギ
技人国ビザの申請は、会社の経営状態(赤字決算がないか等)や、外国人の学歴、そして何より「社内で本当にその専門業務が必要とされているか」をロジカルに説明する書類の作り込みが成否を分けます。
特に、初めて外国人を採用する企業や、設立間もないベンチャー企業の場合は、審査官に疑問を持たせないよう慎重に証拠書類を集める必要があります。
社内に手続きのノウハウがない場合や、専攻と業務の関連性の説明が難しいと感じる場合は、外国人雇用の実務に強い行政書士などの専門家に書類一式の作成やリーガルチェックを依頼するのが最も確実です。
万全の体制を整えて、優秀な外国人材の受け入れを成功させましょう!
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