特定技能の外国人が結婚・出産したらどうなる?家族のビザ(在留資格)手続きと注意点
近年、日本で働く外国人労働者のなかで「特定技能」の在留資格を持つ方が急増しています。日本で長く働いていれば、やがて恋愛をし、結婚して子供が生まれるというライフイベントを迎えることは非常に自然なことです。
しかし、外国人労働者を雇用する企業の人事担当者様や、特定技能で働くご本人から「結婚して子供が生まれたけれど、家族のビザはどうなるの?」「日本で一緒に暮らし続けることはできるの?」という切実なご相談をよくいただきます。
実は、特定技能の外国人が結婚・出産した場合の対応は、現在持っているビザが「特定技能1号」なのか「特定技能2号」なのかによって、全く異なります。本記事では、特定技能外国人の結婚・出産に伴うビザの取り扱いや、日本で家族と一緒に安定して暮らすための解決策について詳しく解説します。
1. まず確認!「特定技能1号」と「特定技能2号」の決定的な違い
特定技能ビザには「1号」と「2号」の2種類があり、家族を扶養するためのルールが根本的に異なります。
- 特定技能2号の場合
家族の帯同(同居)が認められている 熟練した技能を持つ外国人向けの「特定技能2号」は、3年、1年または6か月ごとの更新が可能であり、在留期間に上限がありません。そして何より、家族を日本に呼び寄せて一緒に暮らすことが制度として明確に認められています。具体的には、扶養する配偶者や子供に「家族滞在」という在留資格を取得させることが可能です。
- 特定技能1号の場合
原則として家族の帯同は認められていない 一方で、特定産業分野において相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事する「特定技能1号」は、通算で上限5年までしか日本に滞在できません。そして最も大きな注意点として、「特定技能1号」は家族滞在ビザの対象に含まれていません。
つまり、母国にいる妻や子供を日本に呼び寄せて一緒に暮らすことは、原則としてできない制度設計になっているのです。
2. 特定技能外国人が「結婚」した場合の配偶者のビザはどうなる?
では、すでに日本で働いている特定技能の外国人が結婚した場合、配偶者のビザはどうなるのでしょうか?
特定技能2号の場合:
前述の通り、配偶者は「家族滞在」ビザへの変更や取得が可能です。
家族滞在ビザ自体は原則として就労できない資格ですが、入管で「資格外活動の許可」を受ければ、週28時間以内の範囲内でアルバイトなどの就労をすることが認められます。
特定技能1号の場合(相手が外国人の場合):
相手が同じく日本で働く外国人(留学生や就労ビザ保持者など)だった場合、結婚したからといって相手を自分の扶養に入れる(家族滞在ビザにする)ことはできません。したがって、配偶者自身が自立して日本に在留できるビザ(自分自身の特定技能ビザや、技術・人文知識・国際業務ビザ、留学ビザなど)を維持し続けなければ、日本で一緒に暮らすことはできません。もし相手のビザが切れてしまえば、配偶者は帰国しなければならなくなります。
特定技能1号の場合(相手が日本人の場合):
もし日本人と結婚した場合は、特定技能から「日本人の配偶者等」という居住資格に変更することが可能です。このビザになれば就労制限がなくなり、日本人と同じように単純労働を含むどのような仕事にも就くことができるようになります。
3. 日本で「子供が生まれた」場合の手続きとビザ問題
最も複雑で深刻な問題になりやすいのが、特定技能1号の外国人に日本国内で子供が生まれた場合です。
- 出生後すぐに行うべき「30日以内」の手続き
日本で子供が生まれた場合、親が外国人であっても日本の市区町村役場へ「出生届」を提出します。それと同時に、出生から30日以内に出入国在留管理局へ「在留資格の取得申請」を行わなければなりません。これを放置してしまうと、生まれたばかりの子供がオーバーステイ(不法滞在)となってしまいます。
- 特定技能1号の子供に与えられる「特例」のビザ
前述の通り、特定技能1号の親が子供を扶養するための「家族滞在」ビザは法律上対象外です。
しかし、「日本で生まれたばかりの赤ん坊を、ビザがないからといってすぐに母国へ一人で帰しなさい」というのはあまりに非現実的です。 そこで実務上の特例的な救済措置として、日本で生まれた特定技能1号の子供には、人道的な配慮から「特定活動」という在留資格が許可されるのが一般的です。これにより、当面の間は親子一緒に日本で暮らすことが可能になります。
- 避けられない「5年の壁」問題
特例で子供に特定活動ビザが出たとしても、根本的な問題は残ります。それは、特定技能1号の親自身の在留期間が「通算で上限5年まで」と決められていることです。
親の特定技能1号の期限が満了すれば、親は日本で働き続けることができず帰国しなければなりません。親が帰国する以上、特例で日本に滞在していた子供も、当然一緒に帰国することになります。「子供が日本の保育園に通い始めたのに、親のビザの期限が来たから家族全員で帰国しなければならない」という事態になり得るのです。
4. 家族でずっと日本で暮らすための解決策
結婚した配偶者や、生まれてきた子供と一緒に、期間の制限におびえることなく日本で安定して暮らしていくためには、どうすればよいのでしょうか。
最も確実な解決策は、外国人ご本人が熟練した技能を身につけ、要件を満たして「特定技能2号」へステップアップすることです。 特定技能2号になれば、以下の2つの大きなメリットが得られます。
在留期間の上限がなくなる: 3年、1年または6か月ごとの更新を続けることで、実質的に無制限に日本で働き続けることができます。
家族の帯同が堂々と認められる: 配偶者や子供に「家族滞在」ビザを取得させることができ、特例ではなく正式な制度として家族一緒に日本で暮らすことができます。
5. まとめ:企業側のサポート体制も重要に
特定技能の外国人を雇用している企業の皆様は、彼らが「単なる労働力」ではなく、日本で人生を歩む「一人の人間」であることを理解し、ライフイベントに寄り添ったサポートを行うことが求められます。
もし社内で結婚や妊娠・出産の報告があった場合は、すぐに現在のビザの状況(1号か2号か)を確認し、子供の在留資格取得申請の手続き漏れがないよう注意喚起を行ってください。そして、彼らが家族と一緒に日本で長く活躍できるよう、特定技能2号への昇格に向けたスキルアップや試験合格の支援を積極的に行うことが、結果として企業の貴重な人材定着に繋がります。ビザの手続きでご不安な点があれば、行政書士などの専門家に早めにご相談ください。
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