就労ビザ(在留資格)申請の基本手順と押さえるべきポイント
海外から優秀な外国人材を採用したい、あるいは国内の留学生・転職者を採用したいと考えたとき、避けて通れないのが「就労ビザ(在留資格)」の申請手続きです。
就労ビザの申請は、企業の規模や本人の経歴によって必要書類が大きく異なり、「何から手をつければいいのか分からない」とお悩みの採用ご担当者様も少なくありません。
そこで今回は、実務で最も一般的である「海外から新しく外国人を呼び寄せる場合(在留資格認定証明書交付申請)」の手順をベースに、手続きの流れと審査をスムーズに進めるためのポイントを分かりやすく解説します。
就労ビザ申請(海外からの呼び寄せ)の全体フロー
就労ビザの手続きは、大きく分けると「日本側(企業・行政書士)での手続き」と、「海外現地(外国人本人)での手続き」の2段階に進みます。
【日本国内での手続き】
STEP 1:社内準備・カテゴリーの確認
STEP 2:必要書類の収集・作成
STEP 3:出入国在留管理庁(入管)へ申請
STEP 4:在留資格認定証明書(COE)の発行(※電子または郵送)
【海外現地での手続き】
STEP 5:現地へCOE(在留資格認定証明書)を送付
STEP 6:現地の日本大使館・領事館でビザ(査証)発給申請
STEP 7:来日・空港で在留カードの受け取り
それでは、各ステップの詳細と実務上の重要ポイントを見ていきましょう。
各ステップの詳細と審査を有利に進めるポイント
STEP 1:カテゴリーの確認(自社の区分を知る)
就労ビザの申請では、まず受け入れ企業(所属機関)の規模や実績によって、入管が指定する「カテゴリー1〜4」のどれに該当するかを確認することから始まります。
カテゴリー1・2(上場企業や大手企業など)
上場企業や、法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業などが該当します。信頼性が高いため、提出する資料が大幅に免除されるのが特徴です。
カテゴリー3・4(中小企業やスタートアップ企業など)
新設会社や、源泉徴収税額が1,000万円未満の中小企業などが該当します。会社の健全性や安定性を証明するため、決算書や会社案内などの詳細な立証資料が必要となります。
自社がどのカテゴリーに属するかによって準備する書類が変わるため、事前の正確な確認が欠かせません。
STEP 2:必要書類の収集・作成(最大の難所)
就労ビザ申請において、最も重要なのがこのステップです。単に書類を揃えるだけでなく、「外国人本人の専攻(学歴・職歴)」と「入社後の職務内容」に確かな関連性があることを客観的に立証しなければなりません。
【主な提出書類】
1. 在留資格認定証明書交付申請書(所属機関用・申請人用)
2. 顔写真 縦4cm×横3cm、3ヶ月以内に撮影したもの)
3. 返信用封筒(簡易書留用/電子交付を希望する場合は不要)
4. カテゴリーに応じた所属機関(企業)の資料
- 四季報の写し、または法定調書合計表の控え(受付印のあるもの)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)
- 会社案内(パンフレットやWebサイトの概要を印刷したもの)
5. 労働条件を明示する書(雇用契約書、内定通知書など)
6. 本人の能力を証明する資
- 大学等の卒業証明書、または学位記の写し
- 職歴を証明する場合は、過去の在職証明書(期間や業務内容が明記されたもの)
7. 採用理由書(申請理由書)
※カテゴリー3・4においては、なぜその外国人が必要なのか、どのような業務に従事してもらうのかを入管に説明するための「事実上の必須資料」となります。
STEP 3:入管への申請
書類一式が揃ったら、受け入れ企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理局(入管)の窓口、または「在留申請オンラインシステム」を利用してオンラインで申請を行います。
STEP 4:在留資格認定証明書(COE)の交付
審査期間は通常 1ヶ月〜3ヶ月程度です(時期や案件によって前後します)。審査が無事に通ると、COE(在留資格認定証明書)が交付されます。
現在はオンライン申請の場合、PDF(メール)による電子交付を選択することも可能になり、海外への送付が非常にスムーズになりました。
STEP 5〜7:海外現地でのビザ発給から来日まで
日本側で取得したCOE(PDFまたは原本)を海外の本人へ送ります。
本人はそれを持って現地の日本大使館や領事館(または指定の代理申請機関)に出向き、パスポートにビザ(査証)を貼付してもらいます。ビザが発給されたら、3ヶ月以内に日本へ入国し、到着した空港で「在留カード」を受け取って手続きは完了です。
💡 日本国内にいる外国人(留学生・転職者)を採用する場合
すでに日本に滞在している「留学生の新卒採用」や「他社からの転職者の中途採用」の場合は、海外からの呼び寄せではなく、国内で在留資格を切り替える「在留資格変更許可申請」を行います。
海外呼び寄せとの違い
海外との書類のやり取りや現地大使館での手続きが発生しないため、手続きは日本国内だけで完結します。入管での審査(約2週間〜1ヶ月半)が完了し、許可ハガキが届いたら、本人が入管の窓口へ行って新しい在留カードを受け取ります。
⚠️ 転職者を中途採用する場合の注意点
前職と「全く同じ職務内容」であれば、基本的には次のビザ更新までそのまま就労可能です。
しかし、「職務内容が少しでも変わる場合」や「次の更新時に入管から不許可になるリスクを無くしたい場合」は、転職後スムーズに「就労資格証明書」を申請しておくことを強くおすすめします。事前にこれを用意しておくことで、次回のビザ更新が実質的に確約されるため、企業・外国人本人ともに安心して働くことができます。
まとめ:就労ビザ申請は確実な事前準備が成功の鍵
就労ビザの審査は、提出された「書類の上だけで」判断されます。説明不足や必要書類の不備があると、追加資料の提出を求められて入社が大幅に遅れたり、最悪の場合は不許可になってしまうリスクもあります。
当事務所では、企業のカテゴリーに応じた最適な書類作成から、職務内容の合理性を伝える「採用理由書」の立証まで、スムーズな就労ビザ取得を全面的にサポートしております。
- 「この職務内容でビザが降りるか不安」
- 「必要書類の集め方が分からない」
- 「海外からの呼び寄せを急ぎたい」
といったご不安や疑問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
事務所名: SEED行政書士事務所
行政書士氏名: 森本 智恵子
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