【最新統計】令和7年の在留資格取消は1,446件・前年比22%増|取り消される理由と「知らないうちに該当」を防ぐポイント
日本に在留する外国人が増え続ける中、その「適正な在留」を守るためのチェックも厳格化しています。出入国在留管理庁より発表された「令和7年の在留資格取消件数」のデータから、現在の入管行政の姿勢がはっきりと見えてきました。
この記事では、最新の取消統計の内訳を解説するとともに、外国人ご本人と受け入れ企業・学校の双方に向けて、「知らないうちに取消事由に該当していた」を防ぐための実務ポイントをお伝えします。
📋 この記事の内容
- 取消件数は1,446件 — 前年比22.1%の大幅増
- どの在留資格が取り消されている?(資格別内訳)
- なぜ取り消されるのか? 主な理由と事例
- 「うっかり該当」に注意 — 悪意がなくても取消はあり得る
- 取り消されるとどうなる? 手続きの流れ
- 外国人本人・企業それぞれの予防策
1. 取消件数は1,446件 — 前年比22.1%の大幅増
令和7年(2025年)に在留資格が取り消された件数は1,446件。前年の1,184件と比較すると、約22%もの増加です。
これは違反する外国人が急に増えたというより、令和7年5月の「不法滞在者ゼロプラン」以降、入管当局が実態調査や情報の精査を大幅に強化した結果と見るべきでしょう。学校・企業からの届出情報、税・社会保険のデータ連携など、入管が在留実態を把握する手段は年々増えています。「バレなければ大丈夫」という時代は、統計上も終わりつつあります。
2. どの在留資格が取り消されている?(資格別内訳)
特に取消件数が目立つのは、以下の3つの在留資格です。
| 在留資格 | 取消件数 | シェア |
|---|---|---|
| 技能実習 | 973件 | 67.3% |
| 留学 | 343件 | 23.7% |
| 技術・人文知識・国際業務 | 63件 | 4.4% |
注目すべきは、「技能実習」と「留学」の2つで全体の約9割を占めていることです。実習先から失踪した技能実習生や、学業を離れた後も在留を続ける留学生への対応が、入管の重点課題になっていることが分かります。
3. なぜ取り消されるのか? 主な理由と事例
取消事由は入管法22条の4に列挙されており多岐にわたりますが、代表的なものは次の2つです。
① 本来の活動を3か月以上行っていない(22条の4第1項6号)
「技能実習生が実習先を無断で離脱し、別の場所で働いている」「留学生が学校を除籍された後も日本に居座っている」といったケースです。正当な理由なく、在留資格に対応する活動を3か月以上行っていない場合が対象で、取消理由の圧倒的多数を占めています。
② 偽りその他不正の手段による申請(22条の4第1項1号・2号)
入国時に偽造の卒業証明書を提出したり、虚偽の職歴を記載したりして在留資格を得た場合です。一度入国できたとしても、後から発覚すれば遡って厳しく取り消されます。申請書類の「小さな嘘」が、数年後に在留の根幹を崩すことになります。
4. 「うっかり該当」に注意 — 悪意がなくても取消はあり得る
失踪や偽造のような明確な違反だけが対象ではありません。実務上、悪意のない「うっかり」が取消事由に近づいてしまうケースにも注意が必要です。
⚠️ 実務で見かける「危ないパターン」
- 転職の谷間が長引く — 就労ビザの方が退職後、次の仕事が決まらないまま3か月以上経過(求職活動をしている等の正当な理由があれば直ちに取消とはなりませんが、活動実態の説明が求められます)
- 退学・除籍後にそのまま在留 — 留学生が学校を離れた後、変更手続きをせずに滞在を続ける
- 届出忘れ — 転職・退職時の所属機関に関する届出(14日以内)や住居地の届出を怠る。届出義務違反自体も取消事由や更新時のマイナス評価につながります
- 配偶者ビザの方の長期別居 — 「日本人の配偶者等」の方が、正当な理由なく配偶者としての活動を6か月以上行っていない場合も取消事由です
5. 取り消されるとどうなる? 手続きの流れ
在留資格の取消は、ある日突然カードが無効になるわけではなく、手続きを踏んで行われます。
1意見聴取の通知 — 入管から通知が届き、事情を説明する機会(意見聴取)が設けられます。ここでの説明が極めて重要で、正当な理由を資料とともに示せれば取消に至らないこともあります
2取消の決定 — 取り消される場合、事由によっては出国のための猶予期間(30日以内)が指定されます
3出国または退去強制 — 猶予期間内に出国しない場合や、逃亡のおそれがある悪質なケースでは退去強制手続きに進みます
意見聴取の通知が届いた段階で「もう終わりだ」と諦めたり、逆に無視したりするのは禁物です。通知が来たら、出頭前に必ず専門家に相談し、説明の組み立てを準備してください。
6. 外国人本人・企業それぞれの予防策
✅ 外国人ご本人の予防策
- 転職・退職・退学など状況が変わったら、14日以内の届出と、必要な在留資格変更の検討をセットで行う
- 仕事や学校を離れる期間が長引きそうなら、3か月に達する前に入管または専門家に相談する
- 申請書類には絶対に虚偽を書かない(後から遡って取り消されます)
✅ 受け入れ企業・学校の予防策
- 外国人材の在留カードの期限・資格・活動内容を一覧で管理し、雇用実態とのズレがないか定期点検する
- 退職者が出た際の受け入れ終了の届出を確実に行う
- 採用時の書類(学歴・職歴)の真正性を確認する仕組みを持つ — 不正が発覚した場合、本人の取消だけでなく企業の信用・今後の採用にも影響します
在留資格の取消が増えていることは、一見ネガティブなニュースに見えますが、ルールを守って生活する善良な在留外国人の権利を守るためには不可欠な措置でもあります。受け入れ側である日本社会や企業にも、単なる労働力としてではなく、ルールと人権を尊重した「適正な管理」が求められています。
大切なのは、違反を恐れることではなく、正しい知識で「知らないうちの該当」を防ぐこと。不安な点があれば、状況が深刻になる前にご相談ください。
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※本記事は出入国在留管理庁「令和7年の在留資格取消件数について」等の公表統計資料(2026年公表)に基づき作成しています(2026年7月時点)。取消の可否は個別の事情による判断であり、詳細は出入国在留管理庁の公式情報もあわせてご確認ください。
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